iPhoneやGalaxyなどのスマホが発火・爆発する原因と対策

iPhoneやGalaxyなどのスマホが発火・爆発する原因と対策

iPhoneなどのスマホに入っているバッテリー(リチウムイオン電池)が爆発すると聞いたら多くの人は驚くかもしれません。

しかし、実はスマホのバッテリーに限らずリチウムイオン電池の事故に関するニュースは多く報道されています。

https://gpad.tv/topic/samsung-galaxy-note7-battery-explosion-recall/

https://wired.jp/2015/12/16/amazon-sales-hoverboard/

https://www.washingtonpost.com/news/morning-mix/wp/2017/03/15/womans-headphone-batteries-exploded-on-flight-to-australia-causing-burns/

Galaxyのバッテリーが爆発した事件については日本でもかなり大々的に報じられています。

このほかにも、「Lithium ion battery fire」「Lithium ion battery explosion」などでYoutube動画を検索すると実際に爆発している様子が確認できます。

こちらは意図的にリチウムイオン電池をショートさせることで発火させていますが、過充電したり、熱い車の中に放置したりお尻で電池を思いっきり潰したときにも同じように激しく燃えます。

(危ないので、専門家できちんとした試験用の設備を持っている人以外は絶対に動画のマネはしないでください。)

そんなリチウムイオン電池の安全性問題について今回の記事では詳しく紹介していきたいと思います。

スマホが発火・爆発する原因

iPhoneなどのスマホに入っているリチウムイオン電池が発火・爆発する原因は細かく分けていくと様々なものが出てきますが、基本的には次の3つに大きく分類されます。

  1. バッテリーそのものの製造欠陥
  2. バッテリーの周辺部品の欠陥
  3. 使用者の使い方の問題

1.バッテリーそのものの製造欠陥

まず一つ目の発火・爆発の原因となりうるのはiPhoneやGalaxyなどのスマホに入っているバッテリー、つまりリチウムイオン電池そのものの製造欠陥です。

一口にバッテリーの製造欠陥と言っても様々なものがあります。

例えば、バッテリーの内部に入っている電極に不純物が入っているということもあります。

リチウムイオン電池の負極(マイナス極)には黒鉛が使用されていますが、その中に微小な金属片が不純物として入っているとショートの原因になって記事冒頭の動画みたいにふとした拍子で発火します。

金属不純物というのは製造過程の中でぽろっと入ることもあれば、黒鉛を鉱山から掘り出したときに入っている不純物を取り除く工程をしっかりとやらなくて残ってしまうことがあります。

電極内の不純物以外にも、電極の巻きずれなどで電池反応に偏りができて電析が生じやすくなりショートの原因になることもあります。

これらのような欠陥は、メーカー側からしたらリコール(全品回収)の対象となるため中々認めたがりません。したがってあまりニュースなどで表立ってこのような情報は流れてきません。

しかし、しっかりとした生産技術が確立していないまま大量生産を行っているようなメーカーの電池をCTスキャンなどで見てみるとこのような欠陥が発見されることがあるのも事実です。

私も仕事で他社製品調査の一環で海外メーカーの電池を開けてみたりCTスキャンで見たりすることがありますが、かなり怪しいものも散見されます。怖いですね。

2.バッテリーの周辺部品の欠陥

リチウムイオン電池本体以外でも、それを取り巻く周辺部品の設計などに欠陥があるために発火や爆発の原因になることもあります。

リチウムイオン電池は高温になりすぎると内部で発熱反応が発生して発火や爆発につながる危険性があるため、使用する際は温度管理が重要になってきます。

ところが、スマホの設計的に通気が悪かったり熱が逃げにくかったりしてバッテリーが熱くなりやすい構造になっていることも多いです。

あとは、iPhoneやGalaxyなどといったスマホ本体だけでなくてモバイルバッテリーに多いのが「保護回路」の設計がしっかりしていないというパターン。

リチウムイオン電池というのは冒頭の動画を見ても分かるようにとにかく危険なので、何重にも安全対策はしてあります。その一環として、充電しすぎた時や高温になったときに充電をストップさせるような保護回路をつけることが義務付けられています。

しかし、それがしっかりと作動しないような設計になっていたり故障していたりすると一気に危険性は増加します。

また、それ以外にもバッテリーに対して物理的な圧力がかかりやすい構造になっている場合もあります。

リチウムイオン電池というのは電極の正極(+極)と負極(-極)がセパレータと呼ばれる仕切り布をはさんで何枚も積層されている構造になっているため、力がかかって潰されると一気にショートする危険性があります。

そのため、リチウムイオン電池のケースにはなるべく圧力や衝撃がかからないようなスマホの構造にする必要があるのですが、それが甘いと発火・爆発につながる危険性があります。

3.使用者の使い方の問題

そしてもちろん、使用者の使い方の問題というのもスマホの発火や爆発の原因になり得ります。

先ほども説明したようにリチウムイオン電池は高温になりすぎると発火や爆発する物なので、スマホを暑い場所に放置しておくのはNGです。夏の車の中などは論外です。

あとは、お尻のポケットにスマホを入れたまま座るなど思いっきり圧力をかけるのも危険です。

水没してしまったバッテリーも危険です。リチウムイオン電池の中の物質はどれも水と反応するため構造が壊れてしまいます。劣化してリチウム金属の電析が起きているときは爆発の危険もあります。

iPhoneやGalaxyが爆発する予兆

上記の三つの要因によって発火や爆発の危険性があるときは、そのリチウムイオン電池に予兆が表れていることもあります。それが、バッテリーの膨れです。

基本的に、普通に正しく使っている分にはバッテリーが目に見えて膨らむということはありません。

しかし、電池内部で何らかの異常が起きて好ましくない化学反応(ガスの発生など)が生じているときは膨張が起きるのです。

もちろん、バッテリーが多少膨張していてもiPhoneやGalaxyなどのスマホが目に見えて膨らむということは多くはありません。ただ、画面浮き(液晶が浮いている状態)などが見られたら危険です。

そのような場合はすぐに修理に出してバッテリーを交換してもらうなど点検を受けることを強く推奨します。

安いバッテリーには理由がある

現在、iPhoneやGalaxyなどの大御所はもちろんのことその他有象無象のスマホブランドやモバイルバッテリーはほとんどが中国や韓国製です。

哀しいことに、我らが日本の電池メーカーは価格競争に敗れてスマホなどの小型用リチウムイオン電池の市場からは撤退してしまったのです。

ただ、それに対して恨み節をぶつけるわけではありませんが、やはり安いということにはそれだけ注意しなくてはいけない側面もあります。

全ての中国・韓国のメーカーがそうというわけではありませんが、コストを下げることを最優先にするあまり安全性の観点から好ましくないコストカットの仕方をしていることも多いです。

例えば、不純物が混じっている可能性の高い原材料をロクに精錬もせずにそのままバッテリーの電極の材料として使用したり、設備投資をケチって品質の安定しない製造装置を使用したりなど。

信頼できるメーカーのバッテリーを使用する

したがって、基本的に信頼できるメーカー以外のバッテリーはどんなに安くても使うのは控えるのが賢明です。

例えばiPhoneやGalaxyなどのスマホ本体に入れるバッテリーは純正品を使うべきです。また、モバイルバッテリーでも日本の大手やAnker、AUKEY、cheero、BUFFALOなどのそれなりに評判のあるメーカーのものを買うべきです。

家電量販店で販売されているモノであればきちんと精査はされているのでそこまで神経質になる必要もないですが、ネットなどで購入する際は要注意です。

リコール品などにも注意しましょう。経産省のホームページにリコール情報は掲載されているので、すでに購入している電池が該当していないか確認することをおすすめします。

https://www.meti.go.jp/product_safety/recall/denki_5.html

PSEマークを確認しよう

リチウムイオン電池に限らず、電気製品というのはそれなりに危険なものなので国家で安全基準の検査があります。そして、その検査に通ったことを証明するのがこの「PSEマーク」です。

リチウムイオン電池は分類上、「特定電気用品以外の電気用品」であるため丸型(ひし形でないので注意!)のPSEマークです。

PSEマークがついていれば絶対に製品不良もなく発火や爆発も起きない、というわけでもないですが最低限チェックはしておきたいところです。

まとめ

これまでリチウムイオン電池の安全性や発火・爆発の原因について長々と説明してきましたが、要点としては

  • きちんとしたメーカーの製品を買う(丸型のPSEマーク付き!)
  • お尻に入れたまま座ってスマホのバッテリーを潰さない
  • 熱いところにスマホやバッテリーを放置しない

というようなものになります。

あと、基本的には新品の電池よりも使い込んで劣化した電池の方が発火や爆発の危険性は高いです。(電析などが起きている可能性が高いため)

そのため、なるべくスマホのバッテリーを消耗させない使いかたというのも間接的ではありますが安全に使うための大切な要素です。気になる人はこちらの記事もどうぞ。